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塗師屋の女将えつこ

fufuetsuko.exblog.jp

こんな嘘って許せない!

今日は エイプリルフール。
嘘をついても 許される日。
騙された方が悪くて 相手を攻められない日だとか‥。

でもねー、こんなことは許せないと思いますよ。

昨年秋のことなのですが

『知り合いから頼まれたんやけど~ このお椀剥げてきたんで 塗り替え出来るものかねぇー。
大﨑さんのものではないんやけど‥』と 遠慮がちに預ってきた大ぶりの椀を取り出しました。

『何処で もとめられたんかねぇー』

『金沢の某漆器屋さんで、輪島塗ってことで気に入って買ったらしいわー。
買った時には傷んだときの修理も出来るってことだったらしいけど‥。
大事に使ってたんやけど 剥げてきたんで塗り替え頼んだら 同じのが中国から安く入ってきてて 塗り替えるよりも新しいのを買うほうがはるかに安いってことで 新しいのを薦められたんだって。
思い出いっぱい詰まってる椀なので 塗り替えできるものなら 塗り替えして欲しいらしいわ』
  
それがこのお椀です。
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んー?本当に輪島塗?

はっきりとは言えないんだけど 漆の剥れ方がなんか変なんだけどなぁー?
輪島塗ってこんな 剥れ方しないんだけど??

たらいに水をはり 漬けてみました。
輪島塗だったら ボディは木だから 必ず 浮き上がるのに 沈んでしまいます??

次に熱湯を注いでみました。
持つと熱さがジンジン手に伝わってきます??

我が家で使ってる薄手の汁椀にも熱湯を入れ 手に伝わってくる熱さを比較してもらいました。

『ねぇ、熱さが違うやろ。
悪いけど‥ このお椀 輪島じゃないし ボディが木じゃ無いよ。
どうしても塗り替えしたいのなら塗り替えるけど 剥れるのは早いと思う‥。
それでもいいのなら塗り替えるけど‥』

しばらくしてから 塗り替えを依頼されました。

塗り替えて仕上がったお椀です。
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今は綺麗だけど 長くは使えないと思います。

輪島塗って職人さんの手で 何度も何度も 塗っては研ぎ 塗っては研ぎ‥ 

沢山の時間を経てようやく1つの製品が出来上がるので 決して安くは仕上げられない。
だからこそ 日常に毎日使っても 耐えられるんです。
愛情をもって使えば 10年 20年と使い続けていく間に 使い艶(底艶)が出てきて 使い手さんの表情が器に出てきます。 

初めて求められるお客様にとっては 勇気のいる高い買い物だし 宝物なんですよ。

何も知らないお客さんだと思い さっと見ただけでは解らないとタカをくくり 輪島塗と言えば高く売れるからって 嘘をついてまで販売するなんて 最低!!!
なんでもかんでも売れれば良いってものじゃ ないでしょうー! 

 
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by fugeshietsuko | 2010-04-01 14:12 | 輪島塗と塗師屋のこと
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